男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

教頭先生と別れたあと、入学式に出るために、体育館に向かった。



体育館の天井は高く、磨かれた床は光を跳ね返していた。



この男子校の入学式は、空気まで整っている気がした。



壇上に並ぶ教師たち。


きちんと並んだ椅子。


無駄のない静けさ。



こんな場所に私が立つ日が来るなんて、少し前の私は想像すらしていなかった。



首元のネクタイが、少し苦しい。


けれど、これ以上緩めたら不自然になる。
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