男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

背筋が冷えた。


『……どうして』


問いかけると、佐々木先生は少し困ったように笑った。



「本来なら一般寮に入る予定だった。

だが、手続き上の都合で、空きが出たのがここだった」



“都合”


その一言で片付けられるほど、私にとっては軽い問題じゃない。



思わず一歩後ずさった。
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