男装して逃げた先は、生徒会の王子寮でした。

私は体を固くしたまま、視線を前に固定した。



冬真は何も言わずに反対側のソファへ座り、隼人は壁にもたれかかって、腕を組んだ。



宗雅はテーブルの前に立ち、全員を見渡した。


「改めて言う。

月城凪咲は今日からこの寮の一員だ」



心臓が跳ねるのを感じた。



“一員”。



その言葉は優しいはずなのに、喜ぶべきはずなのに。


私には重い鎖のように聞こえた。
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