恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
けいくんがそれを見て、目を開く。

「ええー、真奈ちゃん、泣かないでぇーー」

頬擦りするように、抱きしめられる。

なんなの。

でも、

こうして、抱きしめられるほど、

埋まってく。

胸の、

なにかが。



頭を抱えられて、

大きな手に包まれる。


強く、優しく、

ゆっくり。


さっきまでのモヤモヤが、

薄まっていく。


顔を上げる。

優しい眼差し。

いつものけいくんだ。

自然に顔が緩む。


そっと目を閉じると、

唇がそっと重なった。

キスのひとつひとつから、

伝わってくるみたい。


ごめんね、

大丈夫だよ。

って。


言葉のかわりに

伝えてくれてるみたい。


触れられるたびに、

さっきまでの冷たさが、

嘘みたいに溶けていく。


それでも、

どこか奥の方に、

さっき向けられた言葉が

残ってる。


でも、

それを上から

覆うみたいに包まれていく。


今、感じる温もりの方が

ちゃんと伝わってくる。



そして、しがみつく。

触れ合うたびに、

境目がなくなっていく。


甘く、深く。

感じる温もり。

私を真っ直ぐに見つめる目。



言葉は私にとって重要じゃない。



何も言わなくても、

わかるから。


そのまま私をまどろみの中に

閉じ込めた。
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