恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
とりあえず、けいくんに続いて
車を降りる。
綺麗な景色。
目の前に広がる海。
潮の香り。
そして。
なんか、すんげー建物。
無機質なグレーを基調にした外観。
そこに、
柔らかい木目が映えていて。
ホテルみたいなのに、
どこか旅館っぽい。
シンプルなのに、
めちゃくちゃ高そう。
え?
なにここ。
え?
ここ、泊まるのデスカ?
え?
私と、けいくんが?
え?
私、
場違いじゃない?
「え!? 待って待って!?」
「ん? どした?」
けいくんは、
トランクを開けて荷物を出している。
「え!? なんで!? 今日なんの日!?」
「なんでもない」
「え!? けいくん誕生日まだだよね!?」
「はは! そこ俺? うん。まだだね」
ええ?
「わ、私も違うよ!?」
「知ってる」
へ?
「え!? じゃぁ、なんでぇ!?」
気づけば、
けいくんの顔の前まで
ずいずい詰め寄っていた。
トランクを閉める。
バタン。
……。
「クハハッ」
「な、なに!?」
もう頭の中がすっちゃかめっちゃかだ。
そこに、
けいくんの顔が近づく気配。
「……え?」
チュッ。
「かわい」
頭をぽん。
「ゆっくりしよ?」
……っ。
「鼻血でそっ」
「クハハッ!」
そのまま手を繋がれて、
スタスタ歩き出す。
「ちょ、待ってぇぇ!」