恋愛する気はなかったのに、年下の彼に甘やかされてます
「ただいまー」

ようやく辿り着いた家の玄関ドアを

そーっと開ける。


「ニャッ」


ふふふ。

やっぱり、いた。

今日もリビングのドアを

突破したようだ。


私を玄関ホールで

一番に出迎えてくれたのは

愛猫の”ゆべし”。

メスの茶トラだ。



「ンメェーーー」

するとその後ろから

もう1匹のオス猫の

ヤギみたいな個性的な低めの鳴き声。

こっちはゆべしの弟分で、

白猫の長毛でビッグサイズの

"だいふく"。


だいふくもそばまできて

目の前で撫でてくれと

ゴロンと腹を出した。



「はいはい。ただいま。みんな寝ちゃった?」

だいふくのお腹を撫でつつ、

反対の手で足に絡みついてくる

ゆべしの耳をくしゃくしゃと撫で回す。

「ニャッ」

ゆべしが短く高めの声で返事をした。

「あはは。そっか。だよね。すっかり遅くなっちゃったもんね」

2匹を引き連れてリビングに入ると、

大きめのソファーにでーんと

両手両足を伸ばして

爆睡を決め込む長女の姿。



この子は薫(かおる)。

春から高校2年生。

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