親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「本気で好きになれる女がいないんだよ」

居酒屋でそう言った悠真は、ちらっと私を見た。

「そんな事言ったって、私のせいじゃないもん」

頼んだ焼き鳥を口に入れる。

普通は遠慮するだろうレバーも食べられるのは、悠真が親友だからだ。

「それで?今度の彼女のどうなの?」

「いないよ、そんな女」

何故かここ2年くらい、悠真は女と付き合おうとしていない。

本気にならないのなら、誰でもいいはずなのに。

「私は、彼氏欲しいな」

その瞬間、悠真がハッとした。

「候補はいるのか」

「いないよ。これから探すんだよ」

「だとしたら、美桜。俺と……」

「あっ!冷やしトマトきた!」

目の前の悠真はがっかりしている。

私は意気揚々と、トマトにマヨネーズをつけて食べた。

「……おまえは変わらないな」

「そう?」

悠真の微笑みも、相変わらずだと思うけれど。
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