親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「それじゃあ、他の子の育成にならないよ」

「他の案件で育成して。俺は完璧を求める主義だから」

悠真は余裕で、自分のデスクに戻って行く。

企画を担当した女の子は、半べそかきながら私の元にやってくる。

「私、何か間違っていましたか?」

「ああ、たぶん。悠真の好みに合ってなかっただけだと思うよ」

私は女の子を宥めながら、悠真を見た。

今の悠真を見たら、いつもの悠真と同じで、ちょっとだけ嫉妬する。


―― 本気で好きな女がいる ――


昨日の夜、そう言ってくれたのなら、少しは心を揺らして欲しい。

「どこ直せばいいですか?白石さん」

女の子はやる気満々だ。

「白石さん」

「ああ、うん」

そして女の子は、私の腕を掴んだ。

「私も白石さんみたいに、神崎さんの企画を任される人になりたいです」
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