親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
私は女の子の情熱に負けて、訂正箇所を伝えた。

きっと、悠真が私に仕事を任せるのは、私が仕事ができるからじゃない。

きっと――――

「美桜」

ハッとすると、梨花が私の顔を覗き込んでいた。

「なんか、思い詰めた顔をしているけれど、大丈夫?」

「ああ、うん」

私は自分のデスクの席に座ると、パソコンに向かった。

浮ついた気持ちを持っているのは、私だけだ。

悠真は、あんなに甘い一夜を過ごしても、いつも通り仕事をしている。

情けないのは私。

その時だった。

「美桜、この案件だけど」

椅子を持って来た悠真が、私の隣に座った。

思わず体がビクついた。

「ちょっと大丈夫?美桜?」

心配したのは、梨花の方だった。

「あはは……大丈夫、大丈夫」

すると悠真が、耳元で囁いた。
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