親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
お昼休憩、私と悠真は階段の踊り場で話した。

「バレたのが梨花で、本当助かった」

「俺は別に公言してもよかったけどな」

悠真はなぜかウキウキしている。

そんな悠真を見るのは、初めてに近い。

「でも最初は、黙っていた方がいいよ」

「そうだな。社内恋愛は、良く思わない奴もいるからな」

私達は見つめ合った。

「悠真……」

名前を呼ぶと悠真が私を抱きしめてくれた。

「美桜。俺やっとおまえを手に入れたよ」

悠真の心臓の音が、やけに聞こえてくる。

「長かった。ここまでくるのに」

女に本気にならなかった悠真が、私にだけ本気だなんて。

未だに信じられない。

「ああ、美桜。なんだかいい匂いする」

突然悠真が、私の首元の匂いを嗅ぎだした。

「ちょっと、悠真?」

「静かに。動くと誰かに怪しまれるから」
< 40 / 59 >

この作品をシェア

pagetop