親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
翌日、佐伯さんからランチに誘われた。

「近くに美味しいパスタ屋さんが、あるんだ」

佐伯さんは、私と二人きりの時は砕けた口調をする。

「佐伯さん、あの……それは下心ありますよね」

そう言うと、佐伯さんはきょとんとした。

「下心?」

「私と、付き合いたいとか」

クスクス笑いだした佐伯さんに、しまったと思った。

「確かにそう言う意味では、下心あるかもしれないね」

私は尚もクスクス笑う佐伯さんに、向き合った。

「佐伯さん、お話があります」

「何だろう」

一瞬、息を吸った。

「私、付き合っている人がいます」

その瞬間、佐伯さんは固まった気がした。

「だから、これ以上誘われても、佐伯さんとお付き合いする事はないと思います」

佐伯さんは何も言わない。

気まずい雰囲気が、妙に長く感じさせた。


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