親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「参ったな」

佐伯さんは、私を見つめると一歩前に出た。

その姿に私はたじろぐ。

「佐伯さん?」

「俺の事、嫌い?」

急に腕を捕まった。

佐伯さんの顔が近くなる。

「そんな嘘ついてまで、俺を拒否したいわけ?」

「ち、違います。嘘じゃないです」

更に顔を近づける佐伯さんに、恐怖を感じた。

「ねえ、白石さん」

「止めて下さいっ!」

私が腕を掴む佐伯さんを振り払おうとした時だ。

「はい、そこまで」

悠真が私と佐伯さんの間に入ってくれた。

「神崎……」

佐伯さんの腕を軽々と押しのけ、私の前に立ってくれた悠真。

「さすがだな、神崎。親友のピンチには、いつでも駆け付けるか」

「悪いけど、もう親友ではないよ」

「はあ?」

悠真は私を片手で抱き寄せた。
< 50 / 69 >

この作品をシェア

pagetop