親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「美桜は、俺の彼女だから」

佐伯さんの目が点になっている。

「神崎、あんたが?」

「ああ、だから引いてくれるか?佐伯」

佐伯さんは、顔に手を当てて笑い出した。

「もしかして、あの日の夜か」

そして苦しそうな表情をする。

「神崎が白石さんを送るって言った時、嫌な予感がしたんだよな」

あの時、佐伯さんは止めるでもなく、私達を送り出してくれた。

なぜだったんだろう。

「まあ、仕方ない。あの神崎が本気を見せたんだもんな」

私は悠真を見た。

不機嫌そうな顔をしている。

「分かったよ。お幸せに」

そう言って佐伯さんは、オフィスに戻って行った。

その背中は、本当に寂しそうで。

私は追いかけて、もう一度謝りたかった。

一方の悠真は、まだ不機嫌そうな顔をしている。
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