親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
お店の中に入り、私達は手前の席に座った。

「カルビでしょ、ハラミでしょ。これは必須」

「豚トロも追加で」

私達はいつもの定番メニューを頼むと、お酒で乾杯した。

「ああ、美味しい。やっぱり仕事帰りはビールだね」

そんな私を見て、悠真は微笑む。

「なに?」

「いや、いつもの美桜だなって思って」

余裕の表情を浮かべる悠真が、大人に見えた。

「やっぱり、ちょっと変わった方がいい?」

「いや。俺は今までの美桜で十分だよ」

今までずっと見守ってくれていた悠真が、頼もしく見えた。

「ありがとう、悠真。ずっと好きでいてくれて」

「急にどうした?」

悠真がジャケットを脱ぐ姿に、色気を感じた。

「私何度も、悠真のこと諦めかけた」

大学生の時も、同じ会社に入った時も、悠真に彼女ができた時も。
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