親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「ちょうどいい加減を心得ているというか。返すタイミングも絶妙だし」

祐樹は話を聞きながら、今度は豚トロを私にくれた。

それを口の中に入れると、やっぱりとろける。

「ん―――!やっぱり美味しい」

悠真は笑顔の私を見て、満足げな顔を見せる。

「もし、美桜の言う通り。俺の加減がちょうどでタイミングも絶妙だとしたら」

悠真が今度は、ハラミを裏返す。

「それは美桜の為に、努力した結果だよ」

一瞬だけ、時間が止まった気がした。

「俺の人生は、全部美桜の為にあるようなものだよ」

「悠真……」

「ほら、今度はハラミ、焼けたよ」

悠真は次々と私の為に、焼き肉を焼いてくれる。

まるで自分は、後回しのように。

「ありがとう、祐樹」

私は、にっこりと笑って見せた。

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