親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「謝る必要なんて……ないよ」

ドキドキした。

私、悠真に見下ろされるのが、好きでたまらない。

恥ずかしくて、横を向く。

「美桜、俺を見て」

「やだ、恥ずかしい」

「美桜」

その声に、顔を正面に向けた。

悠真の真剣な瞳に、私の顔が映っている。

「もう戻れないよ、親友になんて」

唇が重なり合う。

悠真の吐息が、私と混ざり合う。

欲情しているのが分かる。

「はぁ……悠真ぁ……」

たまりかねて名前を呼ぶと、悠真の目が熱を帯びた。

「もっと俺の名前を呼んで」

悠真の指が、私の唇の縁をなぞる。

「美桜の唇で、呼んでほしいんだ」

「悠真、悠真」

私は悠真の首元に腕を回した。

「もう放さないよ、悠真」

「俺もだよ、放さないよ。美桜」

そして悠真の吐息が、私の胸元にかかると、夜は更けていった。
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