親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「立派だよ。君が社長に昇りつめるのを楽しみに待っているよ」

「……ありがとうございます」

悠真が頭を下げると、取引先の社長達はオフィスから去って行った。

悠真は何でもない顔で、デスクに戻る。

すると部長がぼそっと呟いた。

「平社員だけど、御曹司は特別ってか」

他の部長も笑っていた。

「なんで平社員なんだろうな。勝手に役職つければいいのにな」

悠真のペンを握る手が、強くなる。

「そのうち、明日から社長ですとか言い出したりして」

私は立ち上がった。

あまりにも、悠真を馬鹿にし過ぎている。

悠真はいつも言っていた。

―― 親父にいつも言ってるんだ。会社の査定に口を挟むなって ――

そう。実力で社長になりたい。

そう言って悠真は、社長に内緒で就職試験を受けたんだから。
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