親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
困った。これは困った。

男性にデートに誘われるのなんて、いつ振りだ?

「はぁぁぁぁ」

自販機のボタンを、ため息をつきながら押す。

「なんて声、出してるんだよ」

その声にビクンと体が震えた。

見なくても分かる。悠真だ。

「ほら、ここにあるコーヒー、美桜のだろ」

わざわざ取り出し口からコーヒー缶を取り出し、私に差し出してくれる。

受け取ると少しだけ指が触れた。

「ありがとう」

「で?なんかあったの?」

悠真もコーヒー缶を買うと、口をカチャっと開けた。

「悠真。教えて欲しいんだけど」

「何を?」

「もし悠真が同僚の女の子を誘うとして、その……どういう基準で誘う?」

すると悠真が、じーっと私を見つめる。

「……誰かに誘われているのか?」

「もしもよ。もしもの話」
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