親友の御曹司が溺愛彼氏になった一夜
「どうもこうもない。社内恋愛なんて、面倒なだけだから俺は同僚を誘わない」

「うぅ……」

社内恋愛は面倒なだけ。

その言葉が、私の胸を貫く。

「だけど、もし本当に誘うとしたら、なんだ、その……」

悠真はちょっと照れた感じで、顔を反らした。

「本気で付き合いたいんだろ」

私はコーヒー缶をぎゅっと握りしめた。

「そう……だよね」

「あくまで、俺の話だけど」

私はフラっと、廊下を歩き始めた。

「わ!美桜、危ない!」

急に悠真に引き留められる。

「そっちは壁だろ。よく見て歩けよ」

よく見ると目の前には、廊下の壁。

どれだけ追い詰められているの?私。

「で?誰に誘われた?」

「えっ?」

「この流れで、もしもはないだろ。誰なんだよ、美桜を誘った同僚って」

私は一瞬、悠真を見た。
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