三角屋根の下で君と
『‥‥どういう意味でやってるの?』

「‥‥‥とりあえずは合宿お疲れ様って
いうことと、色々頑張ったねっていう労いの意味を込めて‥かな」

『フッ‥‥そうだよ‥俺、頑張ってるから』

私の手が気持ちいいのか、両腕に頭を預けたままの泱が軽く笑ってから目を閉じた

凛にも結局何も言えなかった‥‥
それは泱にも同じだ‥‥

暫くその柔らかい髪を撫でたあと、手を泱の頭から離そうとすると、泱が私の手をパッと取り
ゆっくりと目を開けた

『まだ‥足りない』

ドクン

夜の涼しさとは違い、握られたそこだけが嘘のように熱を持ち、とても温かい

月に照らされた泱の髪はいつもよりもブロンド味が増し、開かれた瞳のグリーンアイも今日はより輝きを増している

「何が足りない?」

『‥‥胡桃が』

えっ?

掴んだままの私の手をあろうことか泱は自分の口元に引き寄せるとそこに唇を寄せて軽くキスを落とした

「‥ッ‥そっちこそどういう意味?」

手だって数え切れないほど繋いで過ごしてきた

それなのに、今繋いでる泱の手は全く知らない人に思えるくらい私を安心させないどころか、心音さえ強くしていく

『胡桃はこれ‥どういう意味だと思ってくれる?』

「ッ!質問に質問で答えないで!なんて答えればそれが正解かなんて分かるわけないでしょ?
ッ!もう!寝る!!」

勢いよく自分の手を引き抜くと、泱を無視して部屋に戻ろうとした胡桃はそこで立ち止まり、
月の光に照らされた泱の方をもう一度見つめると、やっぱり泱もまだこちらを見ていた


「ッ‥おやすみッ!!」

『フッ‥おやすみ』

眠れなくて行ったはずなのに、泱のせいで結局なかなか眠りにつかなかった胡桃は思わず隣の部屋にいろだろう泱の部屋の壁を殴ると、少しはスッキリしてようやく眠りにつけた
< 60 / 64 >

この作品をシェア

pagetop