醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「あー! 全部、厄介な聖女様のせいだ。俺は言ったぞ! 俺は利用する人間で期待するなって」
「大丈夫、ちゃんと聞いたわ」

 二人は、同時に焚き火を見た。
 炎は、もう小さくなり始めている。

 その夜、エリシアは夢を見なかった。
 ただ静かな闇と、波音とすぐそばにある人の気配だけを感じて眠った。

 二人だけの孤島生活が一週間程続いたある夜。

 エリシアの内側で底知れぬ力が湧き起こった。
 ――聖女の力が欠けることなく、完全な形で彼女の元に戻ったのだ。

 闇を切り裂くような、まばゆい光。
 夜釣りをしていた漁師が、その光を見て近づいてきた。

 世間から離れた暮らし。
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