醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 掴まれた手首を振るいながら捨て台詞を言うマルケルについて行くクリフ。

 クリフが何度も名残惜しそうにエリシアを見ていたのを彼女は気が付かないふりをした。


「計画通りに行くと、弟も絶望コースだがそれで良いのか?」
 エリシアにしか聞こえない小声で呟くブレイクにエリシアは「愚問ね」と返す。

「幼い」時は既に過ぎて、クリフにも姉を救う機会は何度もあったはずだ。

 それなのに家族の絆などなかったかのように彼もエリシアを見放した。
 聖女となり、王妃となるかもしれないと分かったら申し訳なさそうに近付いてくるなんて吐き気がする。

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