醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

2.私を陥れた女

エリシアは、何も言わなかった。

 身体の奥から力が解き放たれていく感覚を、ただ受け入れる。
 眩い光が、聖堂の天井を突き抜けた。

「凄まじい。非常に強い聖女の力だ」
「伝説の聖女ウルスラ以来ではないか?」
「もはや、聖女というより女神ですな」

 讃美の声が上がる中、満足げな表情を浮かべたパトリスがエリシア近づいてくる。

 その瞬間、遠くで何かがほどける気配がした。
 胸の奥が、すうっと空洞になる。
(今、何か起こったわ? 私の力が解放されると同時に何かが)

 理由は分からないけれど、確信があった。

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