醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「強大な力により、森だけでなく、王国に巣喰っていた魔獣の瘴気はすべて浄化されました」
 淡々と告げる神官の声。

 エリシアの脳裏に浮かぶのは、言葉を持たず、それでも寄り添ってくれた温もり。

 夜の冷え込みから守るために、身を寄せてくれた獣たち。

 初めは怯えていた。
 いつ食われるのかと、震えていた。

 それでも、醜く、痛みと孤独に呻く少女の命を繋いでくれたのは、彼らだった。
「消えたのですね」
 エリシアは自分でも驚くほど、平坦な声を出す。

「はい。聖女の力は穢れを許しません。浄化とは、完全な消失を意味します」
「では、彼らは?」
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