醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 アイリスが修道女として肩身の狭い思いをしていることを、エリシアは知っている。

(アイリスは、悪い子じゃない。初恋の人と結婚できて期待したのに、見向きもされず裏切られた⋯⋯)

「ずっと、好きだった女性がいたんです」
 不意に発したリオネルの言葉に、エリシアの足が止まる。

「それでも、結婚したなら妻と向き合うべきですわ」

 エリシアが淡々と告げた直後、リオネルはとんでもない告白をしてきた。

「エリシア様。初めて貴方を見た時から、私の心は貴女に囚われていました」
 突然の告白に胸が強く脈打ち、エリシアは反射的に彼の手を離した。

 だが、リオネルはそれを“失敗”に見せない。

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