醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「本当に私を想っていてくれていたなら、消えた私を探したでしょう?」
 エリシアは自分で言って胸が、痛む。

「誰も来ませんでした。私が死んでも、誰も気に留めなかったと思います」
 感情が込み上げてくるままに苦しくて溢れてしまうエリシアの小さな声。

 魔獣の森で古びたハンター小屋を見つけた。
 そこで、もしかしたら誰かが迎えに来ると信じて待ち続けた日々は苦しかった。

 言葉も通じない魔獣を恐れながらも、その温もりに縋った。

(あの時より、今の方がどうしてこんなに虚しいの)

 リオネルが手を伸ばすが、エリシアはそれを振り切ろうとした。

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