醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「帝国の母? また、私に誰かのために生きろって? もう、ウンザリなのよ」
「ごめん。俺が間違った。そういう意味じゃない。君は価値がある人間だって伝えたかったんだ」

 慌てたようなブレイクの訂正の言葉にエリシアは吹き出す。

 彼は皇子として生まれたからには皇帝にならないと価値がないと考える人。
 エリシアに皇后の冠を被せると約束するのは彼にとって最上の返しだった。

「私は権力を望んでないのよ。流石に十年そんなものと無縁に暮らしているとどうでも良くなるの」
 突然、ハッとしたような顔になったブレイクはそっと彼女に口付ける。
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