醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「重圧に耐えきれず? そんなはずはありません。エリシア嬢は、妃教育に必死に取り組んでいました。彼女は責任感が強く、逃げ出すような方ではありません」
 捲し立てるリオネルを見て、パトリスは吹き出した。

「本当に、エリシアが好きなんだな。他の男のものになったのに、まだ好きなのか? だから僕はエリシアと婚約したんだよ。自分は特別だと勘違いしているお前のしょぼくれた顔を、見たくて堪らなかったんだ」
「えっ?」
「確かにエリシアは美しかった。だが、妻を何人でも持てる僕にとって、女なんて花と同じだ。楽しむ時に楽しんで、飽きたら捨てる」

 リオネルは血の気が、一気に引いていくのを感じていた。

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