醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

15.嫉妬

非道な企みは王国の誰もが知らない場所で、静かに始まった。
 王城の地下、使われなくなった礼拝室。

 燭台の炎は紫がかり、空気は淀み、甘く腐った香が漂っていた。
 そこにいたのは、ラリサ・モンドと、王女ルナ。

 パトリス王太子の妹であるルナは元来気が弱く、兄の影に怯えて生きてきた少女だった。
 エリシア・クルーシーは内気なルナを気にかけてくれた女性で、ルナは彼女が大好きだった。

 大好きな兄がわざわざ直談判して婚約した女がいる。
 それがエリシアだと聞いた時にルナは一瞬でエリシアに憎しみを抱いた。

 兄がいずれ結婚するのは分かっていたが、その結婚相手を自分よりも大事にするのは許せない。
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