醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 自分がエリシアに嫉妬するのは別におかしい事じゃないのだ。
 何もかも持っているエリシアに対して不公平だと感じるのは当然だ。

「パトリス王太子殿下がエリシア様ばかりを見るから、苦しいんでしょう? ならばエリシア様から奪い返しましょう」
 ラリサは蛇のような笑みを浮かべながら続け、ルナは兄の愛を取り戻したいと身を乗り出した。

「そんな事、私に出来るの?」

 ラリサは、鞄からそっと古い本を出して開いた。
 禁じられた黒魔術ーー“外見を歪める呪い”。

「エリシア様に醜くなって貰いましょう。それだけで、王太子妃の座からは引きずり降ろせるはずですわ」
「やってみるわ」
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