醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 その瞬間、胸の奥で何かが切れた。

「ラリサ、自分が何をしたか分かってるのか! よく、平然としてられるな」
 怒りを抑えられていないリオネルの言葉に、ラリサの指がぴたりと止まる。

「仕方ないじゃない。エリシア様は兄様の初恋の人だし、パトリス王太子殿下のお気に入りだった。みんなエリシア様が大好き。あの人がいたら私の居場所がないんだもの」
 ラリサの軽過ぎる発言にリオネルの視界が、赤く染まった。

「エリシア様は婚約を破棄され、家を追い出され、居場所も全部奪われたんだぞ」
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