醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「見た目を醜くしただけで、死なせたわけじゃないでしょう? 美しさがなくなっただけで捨てられたエリシア様はその程度だったって事よ」

 ――バンッ。
 悪びれない妹が許せず、リオネルは拳を壁を叩きつけた。

「黙れ。自分がどれだけの事をしたのか理解できないのか? ラリサ、お前のような人間をもう妹とは思わない」
 リオネルの低く、押し殺した声にラリサは何か言い返そうと口を開いたが言葉は出なかった。

 リオネルは背を向ける。
 扉が閉まる音が兄妹の関係が完全に断たれた音だった。

 廊下を歩きながら、リオネルは思う。
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