醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 ♢♢♢

 聖女として戻って来たエリシアに、リオネルは震える手でエスコートを申し出た。
 九歳からずっと思い続けた相手。

 自分は感情に流されるタイプではないから平気だと結婚もした。

 しかし、妻のアイリスと向かい合う事は難しかった。

 エリシアがどこかで苦しんでるかもしれないと思うだけで何もかも手がつかない。
 リオネルにとってエリシアが失踪した十年間が地獄だった事は誰も知らない。

 リオネルは決死の思いでエリシアに積年の想いを告げた。
 しかし、それは無惨にも切り捨てられた。

 客観的に見て、リオネルはエリシアに何もできてない。
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