醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「聖女様は、神殿でお預かりいたします」
 神官の声に、パトリスが眉をひそめる。

「エリシアは僕の花嫁だ。当然、その身は王宮に置く」
 その言葉に、エリシアはぞっとした。

 十二歳で求婚されてから、彼を愛するように努め確かに愛した。
 彼の婚約者として、いつか花嫁になる未来を疑いもしなかった。

 それなのに、今、パトリスの妻になる可能性を突きつけられて全身に寒気が走る。
「聖女様。クルーシー侯爵家からも、貴女様の身柄を預かりたいと申し出がございます。いかがなさいますか?」

 ブレイクの言葉には、微妙な含みがあった。

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