醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
 エリシアは恐怖を思い出し、再びブレスレットに触れ心を落ち着ける。

「それでも?」
「被告は、『君の居場所だ』『愛されていると実感すれば落ち着く』と述べ私の身体に触れました」
 エリシアが嫌悪感を滲ませながら語る言葉にパトリスの顔が歪む。

「それは君を心配してやっただけだ!」
 パトリスが激昂する。

「黙りなさい」
 裁判官の一喝が、雷のように落ちた。

「聖女に対する接触は、本人の明確な同意がなければ、いかなる理由があろうと禁忌です。それを破った時点で、王太子であろうと免責はありません」
 法廷の空気が、さらに重くなる。

「次に、十年前の王家の罪について証言させてください」
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