醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
(また、期待した。本当に、懲りないわね、私は⋯⋯私の事なんて皆どうでも良かったのよ)

 やがて、場の中心に立ったセドリックが、淡々と今後の方針を読み上げ始める。
 帝国による統治体制、行政の再編、軍の再配置。

 その声を聞きながら、エリシアはそっと、自分の手首に目を落とした。
 琥珀の石の嵌め込まれた腕輪。

 ゆっくりと、それを外すし机に置いた瞬間、小さく乾いた音がした。
 その仕草に気づいたセドリックが、一瞬だけ目を見開く。

 だが、何も言わず、再び書類へと視線を落とした。
「聖女エリシアの管理についても、今後はレイディン帝国が引き受けます」
 その言葉に、場がざわめく。

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