醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

3.黒魔術

「ルナ王女、どうされたのですか? その症状は⋯⋯」
 冷静を装いながらも、エリシアの心臓は激しく脈打っていた。

 あまりにも、自分が十年間苦しめられた皮膚病とそっくりだったからだ。

 赤黒く腫れ上がった肌、隆起した血管、そして痛々しく歪んだ表情。
 全てが、自分の記憶と重なる。

「いいから、黙って治しなさいよ!」
 尊大な口調だが、声の端に隠しきれない焦りが混じる。
 そのすべてが、エリシアを一つの答えへ導いた。

 ーー黒魔術の代償。

 脳裏に蘇るのは、十年前の光景。
 パトリスと仲睦まじくしていた自分を、十歳の王女がじっと睨んでいた姿。
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