醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

(何が起こったの?)
 雨上がりの水溜りを覗き込む。

 そこに映っていたのは、かつての自分。いや、それ以上に美しい女性だった。

 涙が、頬を伝った。

 翌日、太陽が再び沈む頃に小屋は王族近衛騎士に囲まれた。

 白い軍服、王家の紋章。
 十年ぶりに見る光景。

 護られるように現れた男を見て、エリシアは顔を顰める。

「エリシア、君なんだね。本当に美しくなった。良かった、間に合って。結婚しよう」
 救世主のような顔で現れたパトリス。

 体は成長しても、自己中心的な本質は変わらない。

 ――まるで、すべてが元通りだと信じているかのように。

「どちら様でしょうか?」
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