醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

7.優しい嘘

ブレイクは飄々とした態度で言葉を発したつもりだろうが、彼の持つ威圧感は剣を抜かずとも人を従わせる種類のものだった。
(危険な男⋯⋯本当に何者なの?)

 エリシアは、ブレイクの背中を見つめながら思う。
 訓練された者、特有の緊張感。

 ノイダン王家が、こんな怪しい男を自分の傍に置いてしまったのは理解に苦しむ。

 それから、二週間。
 エリシアは、眠りを削り聖女の力を使い続けた。
 それは慈愛ではなく、義務だった。

 与えられた役目を果たす、それだけのこと。
 夜、少しでも仮眠を取ろうと部屋に戻ろうとしたエリシアをブレイクが呼び止める。

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