醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「狙いは何ですか? もしかして、このあたりでとれる北海シマエビ?」

 北海シマエビ、“海のルビー”と呼ばれる、希少で高価な海産物。
 この地が狙われる理由として、真っ先に思い浮かんだ。

「ぷっ。聖女様、海賊は猟師じゃありませんよ。ぷっふっ」
 緊急事態だというのに、ブレイクは肩を揺らして笑っている。

 まるで、芝居でも眺めているかのような余裕。
 エリシアは、その態度に言いようのない困惑と恐怖を覚えた。

 薬を持っていながら、人が苦しむのを見ていた男。
 海賊が攻めてきて、人々が慌てふためいているのにどこか楽しそうな男。

 背筋を冷たいものが走り、思わず身をすくめた瞬間。
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