醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
「私の孫娘の代わりに、この人を連れていってください。本当に綺麗でしょう? しかも、聖女様なんですよ!」

 カーラの皺だらけの顔に浮かぶのは、安堵と期待が入り混じった笑み。

 彼女の言葉が、エリシアの耳に突き刺さる。
(私、まだ何かを期待していたの? 少しでも民に受け入れられるとでも思ってた? 馬鹿みたい。やっぱり、私は利用され捨てられるだけなのね)

 潮風の中で、エリシアの身体から一気に血の気が引いていった。
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