醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。

9.二人きり

焚き火が弾け、火の粉が散る。

 セドリックは拳を握りしめた。
 それは怒りよりも、図星を突かれた時の沈黙だった。

「俺の人生は、生まれた時から完璧なんかじゃない。だから皇帝になりたい。目的があるから、こんな屈辱にも耐えられる」
 低く、硬い声。

 エリシアはセドリックの膝の上で強く握られる拳をみつめて、何か自分にできないかと考えた。

「私がセドリックの為にできる事はある?」
「協力しろ、聖女様。お前の力は、あとどれくらいで完全に戻る?」
「分からないわ。私にも。でも⋯⋯今、私たち、どうして生きてるの? 助けを待ってるの?」

 正直過ぎるエリシアは心のままに疑問をぶつけた。
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