醜い私が美貌の聖女になったら、危険な恋をして国が滅びた。
その瞬間、セドリックの喉がごくりと鳴った。
その音は、夜の波音に溶けて消える。
「⋯⋯本当に、聖女様だなエリシア・クルーシー」
セドリックは、皮肉とも敬意ともつかない笑みを浮かべた。
エリシアの苦しそうな微笑みに、なぜか感情を忘れたはずの胸の奥がちくりと痛む。
――自分は彼女を利用しようとしているのに、彼女は「何かを与えよう」としている。
その違いが、セドリックの胸をわずかに締め付けた。
夜が明けるたび、島の輪郭は少しずつ違って見えた。
朝焼けに染まる海は昨日までの凶暴さを嘘のように隠し、昼には透明な青をたたえ夜になると底知れぬ黒に変わる。
その音は、夜の波音に溶けて消える。
「⋯⋯本当に、聖女様だなエリシア・クルーシー」
セドリックは、皮肉とも敬意ともつかない笑みを浮かべた。
エリシアの苦しそうな微笑みに、なぜか感情を忘れたはずの胸の奥がちくりと痛む。
――自分は彼女を利用しようとしているのに、彼女は「何かを与えよう」としている。
その違いが、セドリックの胸をわずかに締め付けた。
夜が明けるたび、島の輪郭は少しずつ違って見えた。
朝焼けに染まる海は昨日までの凶暴さを嘘のように隠し、昼には透明な青をたたえ夜になると底知れぬ黒に変わる。