あと30日で、他人に戻るふたり
今日はヘアアイロンはせず、簡単にスキンケアだけ済ませてリビングに戻る。


すると、さっきと違ってカーテンは開いていて明るい日差しで部屋中が明るくなっていた。

その明るいリビングで、彼が今さっき届いたであろう荷物を早速開封している。


敷いたダンボールに広げられた、長さの違うパイプ。
説明書がはるか遠くにあるが、あれはいらないのだろうか?

「これ、なんですか?」

「ランドリーラック」

「え!洗面所の?」

本当に頼んでる!
というか、少し前に話したことをいとも簡単に実現するその行動力に、いつも驚かされる。

思いつきなのか、前から決めていたのか。


パイプが入っているひとつひとつの袋を全部開けて、ひと通り出し終わった彼が、今度は無駄のない動きで組み立て始めた。

「今からやるんですか?」

朝っぱらから?起きたてで?

……という私の視線を気にすることなく、彼は当たり前のようにうなずく。

「今やる」

「別に今日やらなくてもいいんじゃないですか、日曜日なのに」

「なんで?日曜日だから、やる」

「疲れちゃう」

「必要なものだから、疲れない」


へぇ、と意外に思う。
面倒くさがりではあるけど、必要であればちゃんと動くということだ。


手際よく組み立てている姿を、一緒に床に座って見ていたら。

「ここ、押さえててくれない?」

と頼まれる。

「こう、九十度にしたまま押さえてて」

「分かりました」

押さえる瞬間、指が触れたけれど。
彼は特に気にすることもなく、作業を続ける。


< 100 / 197 >

この作品をシェア

pagetop