あと30日で、他人に戻るふたり
これ以上は任せられないと判断して、キャベツを軽く整えながらフライパンを火にかける。

隣を見ると、彼はさっきと同じ場所に立ったままだった。

「もう大丈夫ですよ」

「うん」

返事はしたのに、動く気配はない。

結局そのまま、私が調理を進める横でぼんやりと見ている。


工程を眺めて、不意に質問してくる。

「……油、こんなに使うの?」

「使いますよ。中華ですから」

「へえ」

「子供の頃とか、お母さんがご飯作るの見てませんでしたか?」

「いやー、ゲームばっかしてたからな…」


そんな感じする、と思いながらもそれは口にしない。
彼はずっと彼のまま過ごしてきたんだと思う。


合わせ調味料のおかげで、ホイコーローはすぐに完成した。

出来たての料理をお皿に盛り付け、サラダとお味噌汁をお盆に載せる。


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