あと30日で、他人に戻るふたり
「今やってる案件もさー、先方からの承認なかなかおりなくて苦労してるじゃん?」

「なんだかんだ組んでた日程軽く超えてますもんね」

「マジで勘弁してほしいよ」

「こだわりが強いんじゃないですかね…」

ビールを口に運びながらつぶやくと、リラックスしていた彼が身体を起こして首を振った。


「穂村、そういうとこだぞ。なんでもかんでも相手目線で考えてさ。いい子すぎ」

「────えっ、そうですか!?」

自覚なしのところへ突っ込まれ、思わず生ハムを食べていた手を止める。

「だから課長にも頼られやすいんだよ」


開始五分でダメ出しをされ、苦笑いを浮かべるしかなかった。



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