あと30日で、他人に戻るふたり
夜ご飯は簡単に、焼きそばにした。
キャベツやピーマンには善戦していたのに、人参を相手にした途端に大苦戦していた大地さんは、最後あたりイラついていた。
「人参って……思ってたよりもカタブツなんだな」
炒めている私の横でそんなことをつぶやくから、笑いが込み上げてしまった。
「切り方の問題じゃないですか?」
「いや、包丁が悪い」
「道具のせいにしないでください」
「じゃあどうしたら人参は言うこと聞いてくれるの?」
「いいんですよ。どんなに大きくても、どんなに太くても、火を通せばいいんですから」
「……やっぱ大きすぎる?」
炒め途中の焼きそばに入っている、分厚くて大きい人参が強い存在感を示している。
思わず吹き出しそうになり、なんとかこらえる。
「……いや、食べごたえあっていいと思います」
「────そういう時はさ、正直に感想言ってよ」
ちらっと隣を見たらなんとも言えない顔をしていて、ついに笑ってしまった。
「はい、できました」
麺を入れて味を馴染ませたあと、フライパンを火からおろす。
いい匂いがキッチンに溢れる。
「焼きそばって、野菜切る時間の方が長い気がする」
「まあ、そうかもしれないです」
一応、同意はしたけれど。
たぶん、準備に時間がかかったのは、大地さんのせい。
でもそれは言わないでおいた。
キャベツやピーマンには善戦していたのに、人参を相手にした途端に大苦戦していた大地さんは、最後あたりイラついていた。
「人参って……思ってたよりもカタブツなんだな」
炒めている私の横でそんなことをつぶやくから、笑いが込み上げてしまった。
「切り方の問題じゃないですか?」
「いや、包丁が悪い」
「道具のせいにしないでください」
「じゃあどうしたら人参は言うこと聞いてくれるの?」
「いいんですよ。どんなに大きくても、どんなに太くても、火を通せばいいんですから」
「……やっぱ大きすぎる?」
炒め途中の焼きそばに入っている、分厚くて大きい人参が強い存在感を示している。
思わず吹き出しそうになり、なんとかこらえる。
「……いや、食べごたえあっていいと思います」
「────そういう時はさ、正直に感想言ってよ」
ちらっと隣を見たらなんとも言えない顔をしていて、ついに笑ってしまった。
「はい、できました」
麺を入れて味を馴染ませたあと、フライパンを火からおろす。
いい匂いがキッチンに溢れる。
「焼きそばって、野菜切る時間の方が長い気がする」
「まあ、そうかもしれないです」
一応、同意はしたけれど。
たぶん、準備に時間がかかったのは、大地さんのせい。
でもそれは言わないでおいた。