あと30日で、他人に戻るふたり
「メンチカツをひとつ」
「はーい!」
元気なおばさまが、たぶん揚げたてと思われるメンチカツをトングで挟んで何重かにした紙に挟んでくれる。
「美月、持てる?いったん会計する」
「は、はい」
持たされたメンチカツが、けっこうずっしり重い。
しかも、たぶん、いや絶対。めちゃくちゃ熱い。
行列からやっと出た私たちは、歩きながらなかなかの大きさなメンチカツをまじまじと見つめた。
「…でっか!」
さっきと同じセリフを口にした大地さんが、「先に食べて」と急かす。
「熱いです、これ。口の中やられそう」
「冷めたら美味しくないんじゃない?」
「たしかに。…よし!」
決意を胸にひと口かじる。
肉汁が溢れ出して、熱いんだけどそれより先に美味しさが来た。
「えっ…!うまぁ!!」
あまりにも素直な感想に大地さんがふっと笑うと、私の口元を見て
「なんか色々ついてる」
と目を細めた。
「これは!肉汁です!」
「ううん。ソースもついてる」
「えっ、やだあ」
もたもたしてバッグからハンカチを出そうとしていると、メンチカツをひょいと持ってくれた。
そしてそのまま、彼はためらうことなく私の食べかけのメンチカツを大きな口で食べた。
「あっつ!!」
どうやら彼は先に熱さが来たらしい。猫舌?
「……うまい」
そして味の感想は、私とまったく同じ。
それしか出てこないボキャブラリーに、思わず笑いがこぼれた。
「こうなると、なんか飲み物ほしくなりません?」
「そうだね、なんか買いたいな」
メンチカツ片手にふたりでなにか美味しそうな飲み物はないか見回す。
それはすぐに見つかった。
『フルーツジュース』という看板が目を引く。
若い学生や子供連れの家族で賑わっているので、こちらも人気店のようだ。
そこで私は搾りたてオレンジジュース、大地さんはレモネードを買った。
メンチカツはさっきから私と彼の手を行ったり来たりして、やっと終わりが見えてきたところだ。
食べ物のシェアも、もうなんの抵抗もない。
「はーい!」
元気なおばさまが、たぶん揚げたてと思われるメンチカツをトングで挟んで何重かにした紙に挟んでくれる。
「美月、持てる?いったん会計する」
「は、はい」
持たされたメンチカツが、けっこうずっしり重い。
しかも、たぶん、いや絶対。めちゃくちゃ熱い。
行列からやっと出た私たちは、歩きながらなかなかの大きさなメンチカツをまじまじと見つめた。
「…でっか!」
さっきと同じセリフを口にした大地さんが、「先に食べて」と急かす。
「熱いです、これ。口の中やられそう」
「冷めたら美味しくないんじゃない?」
「たしかに。…よし!」
決意を胸にひと口かじる。
肉汁が溢れ出して、熱いんだけどそれより先に美味しさが来た。
「えっ…!うまぁ!!」
あまりにも素直な感想に大地さんがふっと笑うと、私の口元を見て
「なんか色々ついてる」
と目を細めた。
「これは!肉汁です!」
「ううん。ソースもついてる」
「えっ、やだあ」
もたもたしてバッグからハンカチを出そうとしていると、メンチカツをひょいと持ってくれた。
そしてそのまま、彼はためらうことなく私の食べかけのメンチカツを大きな口で食べた。
「あっつ!!」
どうやら彼は先に熱さが来たらしい。猫舌?
「……うまい」
そして味の感想は、私とまったく同じ。
それしか出てこないボキャブラリーに、思わず笑いがこぼれた。
「こうなると、なんか飲み物ほしくなりません?」
「そうだね、なんか買いたいな」
メンチカツ片手にふたりでなにか美味しそうな飲み物はないか見回す。
それはすぐに見つかった。
『フルーツジュース』という看板が目を引く。
若い学生や子供連れの家族で賑わっているので、こちらも人気店のようだ。
そこで私は搾りたてオレンジジュース、大地さんはレモネードを買った。
メンチカツはさっきから私と彼の手を行ったり来たりして、やっと終わりが見えてきたところだ。
食べ物のシェアも、もうなんの抵抗もない。