あと30日で、他人に戻るふたり
そのあとも、焼き鳥やさつまいもボールとか、色々買っては食べ、買っては食べを繰り返し。

だいぶお腹がいっぱいになって、空いていたベンチに座ってペットボトルのお茶を飲んでいた。


お昼に出てきたのに、あっという間に夕方に差しかかっていた。

お茶を飲んで、帰路につく人たちを眺めながらひと息つく。


「今日いーっぱい食べましたね」

「食べたな」

「どれが一番美味しかったですか?」

「選べない」

「私はねぇ、まだ食べたいものあったんですけど。お腹が限界です」


苦しくならないように、ワンピースを選んでよかったとこのとき初めて思った。

大地さんは買ってすぐに履いたサンダルを見下ろしている。
靴擦れもなく、どうやら快適な様子だった。

「サンダルいいね。涼しい」

「買ってよかったですね」

「うん。……そろそろ帰る?なんか買って帰る?」


帰りたくないような気持ちもあるけれど、お腹にはこれ以上入らない。

「…帰りますか」

と返すと、その言葉にやけに寂しさみたいなものが滲んでしまった。


ふたりで立ち上がってゆっくり歩き出すと、向こうで「きゃあ!」と悲鳴が上がっているのが聞こえてそちらを見る。

若い学生のカップルらしき男女が、商店街に着いた時に初めて見た大きな平べったいおせんべいを割ってしまったのか、女の子がショックを受けたような顔をしていた。

彼女を励ます彼も見える。


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