あと30日で、他人に戻るふたり
私があまりにぼうっとしているからか、ダンボールを持ち上げながら大地さんが顔を覗き込んでくる。
「どうした?大丈夫?」
「あっ、はい」
暗い表情だと悟られてしまうから、急いでうなずいた。
なるべくいつもと変わらない声色で。
「金曜日だからですかね、疲れが溜まってるのかも」
さっさと廊下を進んでキッチンへ逃げ込んだ。
買い物したものをカウンターに並べながら、どうしても彼の行動が気になって見てしまう。
大地さんはダンボールを組み立てて、ガムテープで貼り付けている。
何回も、何回も。
紙が擦れ合う音とガムテープの音が聞こえるたび、自分の気持ちも削れていく気がした。
玉ねぎを切りながら、一瞬だけ手が止まる。
────もしかして、この週末で荷物をまとめてそのまま出ていくとか?
私、まだ本人からなにも聞いてないんだけど。
そこまで考えて、違うかと首を振った。
そんな細かいことまで話してくれるような人じゃない。
説明が“めんどくさい”から話さないだけ。
そして、最初から一ヶ月だけという話だったんだから。
玉ねぎを炒めて、そこへ薄切りの豚肉を投入していく。
あとは甘辛いタレを絡めて、少し多めに盛り付けたご飯に乗せた。
熱々の豚丼と、ワカメとネギだけ入れたお味噌汁。
完全に、手抜き。
味もこれで合ってるのか、いまいち自信がない。
「どうした?大丈夫?」
「あっ、はい」
暗い表情だと悟られてしまうから、急いでうなずいた。
なるべくいつもと変わらない声色で。
「金曜日だからですかね、疲れが溜まってるのかも」
さっさと廊下を進んでキッチンへ逃げ込んだ。
買い物したものをカウンターに並べながら、どうしても彼の行動が気になって見てしまう。
大地さんはダンボールを組み立てて、ガムテープで貼り付けている。
何回も、何回も。
紙が擦れ合う音とガムテープの音が聞こえるたび、自分の気持ちも削れていく気がした。
玉ねぎを切りながら、一瞬だけ手が止まる。
────もしかして、この週末で荷物をまとめてそのまま出ていくとか?
私、まだ本人からなにも聞いてないんだけど。
そこまで考えて、違うかと首を振った。
そんな細かいことまで話してくれるような人じゃない。
説明が“めんどくさい”から話さないだけ。
そして、最初から一ヶ月だけという話だったんだから。
玉ねぎを炒めて、そこへ薄切りの豚肉を投入していく。
あとは甘辛いタレを絡めて、少し多めに盛り付けたご飯に乗せた。
熱々の豚丼と、ワカメとネギだけ入れたお味噌汁。
完全に、手抜き。
味もこれで合ってるのか、いまいち自信がない。